沖縄への転職・キャリア

20代で沖縄移住して後悔しないために│ 沖縄転職を成功させるリアル戦略

けいたろう

なぜ20代の沖縄移住は「後悔する人」が多いのか

SNSや移住ブログで「沖縄移住最高!」という声を見る一方で、実際には「移住者の8割は、3年以内に本土に戻る※」と言われているようです。
※諸説あり、データの信憑性はそこまで無いようですが、失敗する方が多いのは事実だと思います。

その理由の多くは、

  • 給与水準の低さ
  • キャリアの選択肢が限定的
  • 想像よりも生活コストがかかる

他にも娯楽が少ない地域や人になじめないなど多様な原因がありますが、生活コスト・給与・キャリアのバランスをどう取るかも一つの要素として重要になります。
この記事では、20代で沖縄に移住・転職した私が考える「後悔しない」ための現実的な戦略を考えてみたいと思います。

沖縄移住の「成功」とは何か?をまずは考えてみる

沖縄移住の成功は人それぞれだと思います。沖縄でどのような生活を送りたいのか、海の見える自然豊かなエリアでゆっくり過ごしたいのか、沖縄にいながらも年収をしっかりあげていきたいのか、基本はリモートワークが良いのか、など考えるべきことはたくさんあります。
細かい前提の設定はキリがないので、今回は沖縄への転職を考える際に観点として考えてほしい下記2つのパターンを考えてみたいと思います。

①長期的に沖縄で生活することを前提に、沖縄の大企業や公務員に転職し、いわゆる「安定」を手に入れる
②どこでも通用するスキルを身に着け、育てていく

①と②の両立はもちろん可能ですがどちらかを選ぶなら②がおすすめです。上記でお伝えした通り、①結婚やキャリアなど人生の変動要素が多すぎること、②沖縄での生活は独特であり、「住んでみないと分からない」がたくさんあることがその理由です。沖縄に住む前から「長期的に沖縄で生活する」ことを前提に動くことはかなりのリスクだと思います。詳細は下記で説明します。

前提|この記事が想定する読者像や前提知識

この記事で想定している方は下記の通りです。

・第二新卒~社会人5年目程度
・医療・建築・土木など大学や専門学校に通う必要のある資格必須職は除く

前提が違う場合は当てはまらないケースが多いと思うので注意が必要です。

この記事を読む際に知っておいて欲しい前提知識としては
・沖縄は全国的にも平均年収が低い
・大企業・公務員志向はかなり強い
・年功序列文化が強く昇給幅は小さい(業界や会社にももちろんよりますが傾向は強い)

そのため、沖縄の会社に入ってから年収を上げていくのは多くのケースで難しく、年功序列で周囲と同じペースでしか上がらないことが多いと思います。だからこそ、転職時にどれだけ好条件を得られるかが勝負になり、移住前の実績や経験が重要になります。実績や経験がないケースについても後半で触れます!

沖縄移住・転職の戦略①沖縄の中で「安定」を手に入れる

いわゆる「沖縄の大企業」に入社することや「公務員」になることが考えられます。こちらは個人的にはあまりお勧めしませんが一つの方法としてご紹介します。

「沖縄の大企業」への転職は?

「沖縄の大企業」とは例えば

  • サンエー
  • 沖縄セルラー
  • 沖縄電力

他にもたくさんありますがこれらの企業が代表例です。ただし求人を見てもらえれば分かりますが、専門職系以外の求人はかなり少ないです。人気企業なだけあって、求人があってもかなりの狭き門だと認識して頂いて良いと思います。2025年10月時点で下記の通りいくつか求人は確認できましたが、挑戦する価値はあれど、多くの方にとって現実的ではない方法だと思います。

<サンエー>
契約社員の募集(6ヶ月の試用→正社員登用)
<沖縄セルラー>
・営業
・監査
・経理
・エンジニア
などすべて一定の経験必須
<沖縄電力>
・事務系総合職
・技術系総合職
30歳未満限定

沖縄で公務員になるのは?

続いて沖縄で公務員を目指す方法です。結論から言うと、こちらも「まったく不可能ではないけど、狭き門」だと思います。公務員を検討する際に考えておきたいポイントを下記にまとめます。

↑名護市役所の写真

①受験資格
受験資格に「沖縄在住」や「出身地」条件はないことが多いですが、一部の地域では県内在住などの条件があります。例えば私は移住検討時に、沖縄市と北谷町の公務員試験に応募しようとしていましたが、北谷町は「在住」が条件で応募することができませんでした(2026年度の募集要項を確認する限り在住要件は無くなっていそうです)。
また、受験資格ではありませんが受験対策が大きな負担となります。憲法や民法、経済学、財政学など教養科目と10以上の専門科目があり、時間をかけて対策を行う必要があることも注意が必要です。

②倍率の高さ
沖縄の学生は公務員志向が強く、公務員になるための塾に通っている学生も一定います。倍率も高く、参考までに令和6年度の那覇市役所(上級行政)の合格率は申込者304人、最終合格者26名で約8%、令和7年度の沖縄県庁(上級行政)の合格率は申込者538人、最終合格者122人で約23%となっていました。

③公務員になった後に転職しにくい
安定と言われる公務員にも一定のリスクがあると思っています。それは転職がしにくくなることです。理由は職務内容にもよりますがスキルの汎用性が低いためです。法令・調整・事務系スキルが中心で、多くの民間企業では即戦力と見なされにくい傾向があります。
沖縄移住×公務員を選択しようと思っている場合には、沖縄移住がうまくいかない可能性×公務員の仕事が向いていない、または楽しくない可能性があることには注意が必要で、かなりリスクがある選択だと言えます。

もちろん「転職が出来ない」わけではありません。公共×民間の中間領域(地域創生・公共DX)などでは転職機会が広がっていますが、かなり限定的であり、安定は強みだけど、キャリアの可動性は低めだということはご認識下さい。

沖縄移住・転職の戦略②都市部で実績・経験を積んでから移住する

おすすめなのは、都市部で経験を積み、沖縄県で需要があり、かつ汎用性の高いスキルを得てから転職することです。理由としては

  • 実績があると転職時に評価されやすい(もちろん内容が重要です)
  • 給与交渉時に前職年収が基準になりやすいので給与の落ち幅が少なくなる

都市部で数年実績を積み、その後「沖縄で働く」または「リモートで住む」という形の方が、収入・自由度の両面で満足度が高いケースが多いと思います。「都市部」と言っているのは①給与が比較的高いこと、②都市部の会社でしか経験できない規模感の仕事が経験できること、③ネームバリューのある会社での経験は評価されやすいことが理由です。年齢も若く、採用におけるポテンシャル要素も大きいので、分かりやすくポテンシャルを表す名刺として③もあるにこしたことありません。

これから実績を作っていく人に確認して欲しいポイントが沖縄で需要のある経験を身につけることです。転職サイトで沖縄県の求人を見てみると傾向が見えてくると思います。私が2025年10月時点で確認した限りだと沖縄県内で比較的給与が高めの求人は

  • 建築・土木系
  • 医療系
  • 営業系
  • エンジニア・その他WEB関係

が挙げられます。建築・土木・医療は専門学校や大学を通して資格取得しなければならないケースが多いため、今から(ゼロから)始めるなら営業系またはエンジニア・その他WEB関連が良いと思います。不動産営業の求人も多く、宅地建物取引士の資格を取得すれば未経験でも多くの求人の条件をクリアすることが出来ると思います。宅建は効率にもよりますが、本気で勉強すれば半年程度で合格することも可能だと思います。

上記は会社で働くこと×沖縄の会社で働くことを前提としておりますが、もちろん「個人事業主」や「東京の会社だが、リモートワークOKだから沖縄で働く」みたいなケースも考えられます。一方で、今回の想定は「年齢が若めの社会人」なので、多くの方にとってハードルが高い選択肢だと考え今回は割愛します。

今すぐ沖縄転職・沖縄移住したい人は?

「経験なんて積んでられない。いますぐ沖縄に移住したいんだ!」という方もいらっしゃると思います。前述のリスク(給与の伸びが鈍いなど)があることは認識して頂いたうえで
、「それでも!」という場合は汎用性のあるスキルが身につく仕事を選ぶことが重要だと思います。それは沖縄で長い期間生活するにしても、沖縄移住が上手くいかず短期間で地元に帰る場合でも、そのなかで新しい挑戦をしたり、給与を上げたり、転職したりする際に、汎用的なスキル(=多くの会社にとって重要なスキル)を身に着けていたほうが楽だからです。
20代であれば、特に第二新卒枠など、ポテンシャルを見込んだ業界未経験での求人も多くありますので、そういった求人を選ばれる際にも上記の観点を参考にしてください。
比較的「汎用性が高い=求めている会社が多く転職に困りづらい」、「未経験での求人がある」職種は沖縄の求人を確認する限り営業系とエンジニア・その他WEB関連がメインだと思います。

営業職

どの地域でも求人数が多く、実績次第で収入も上げやすいことが特徴です。成果が報酬に直結するインセンティブ制の会社も多いです。収入が安定しにくく、数字に追われれるプレッシャーに耐えられる方でないと難しいことはデメリットです。メンタル面のタフさは必要ですが、未経験でもコミュニケーション能力やメンタルに自信がある方は挑戦してみる価値があると思います。
特に【不動産×営業】について、不動産という商材の単価が高いことでインセンティブが大きいことと、未経験でも宅地建物取引士の資格があれば応募できるところが多いです。また、沖縄の不動産需要は安定しており、県外企業の支店も多いことで給与水準が県外水準に引っ張られ、給与が高い求人も多い印象です。

エンジニア・その他WEB関係

最近は沖縄でも未経験採用を行う企業が増えている印象です。ただし、未経験の場合は給与は低めで契約社員スタートのケースもあります入社前に「教育体制」つまり「その会社で身につくスキルはその会社でしか使えないスキルではなく、どの会社でも必要としているスキルなのか」や、辞めた人の転職先や辞めた人の退職理由などを口コミサイトなどで確認しておくことが重要です。

最初の1〜2年は「給与をもらいながら勉強・経験を積ませてもらっている」と割り切れる方であればおすすめです。私の沖縄の友人に、未経験から沖縄のWEB広告会社に入社し、教育期間と少しの実践・実務期間の計2年弱を経て転職し、大幅に給与を上げていた方がいました。良心は少々痛みますが戦略的なキャリアだと思います。このように汎用的なスキルについて実績が作れると、その後は県内外問わずキャリアの選択肢が広がることがポイントだと思います。

求人がたくさんある飲食・ホテル業界はどう?

飲食店社員

良い点:

  • 同世代(若者)が多く、コミュニティが作りやすい
  • 店の雰囲気に合わせて選びやすい
  • 将来自分の店を出したいなら実践経験になる

注意点:

  • 汎用的なスキルが身につかず、転職が難しい
  • 給与が比較的低いことが多い

「飲食で一生やっていく覚悟がある」、「将来自分のお店を出したいと思っている」、「給与はそこまで気にしておらず一旦は気の合う同世代と楽しく働きたい」という方であれば全然◎だと思います!コミュニティが作れることが大きな強みです。国際通りの居酒屋でよく飲み歩いていましたが、若者が仲良く楽しそうに働いているお店はたくさんありました。
一方で将来のやりたいことが決まっていなかったり、給与は戦略的に上げていきたい方にとってはあまりおすすめできない業界になります。

ホテル・観光系

インバウンド回復で求人数は多いですが、外国人も積極的に採用しており、給与は低めです。英語力があると採用には有利です。注意点としては

  • 昇給は緩やかなことが多い
  • 人出不足が多く発生しており、シフトが過密になりやすい

同業界での転職はしやすいですが、飲食業界同様に将来のやりたいことが決まっていなかったり、給与は戦略的に上げていきたい方にとってはあまりおすすめできない業界になります。

もちろんですが、ホテル・観光業や飲食業界で働いてみて、それが向いている仕事と気付けたり、お客様の笑顔を通して大きなやりがいを得られたり、それに越したことはないです。給与よりもよっぽど重要だと思います。
一方で残された未経験×ポテンシャル採用が許される貴重な20代の時期に、「求人多いし、なんか楽しそう」で適当に選ぶのであればやめましょう、という話です。

まとめ│沖縄移住を「キャリアのゴール」にしない

「今の仕事が辛い」
「仕事が辛いなら、せめて生活環境は大好きな沖縄にしたい」
「自分が応募できそうな求人に適当に応募してみよう」

これはよくあることだと思いますし、私も最初はこんなモチベーションで仕事を探していました。
でも「沖縄移住」をゴールにしてしまうと、将来の選択肢が狭まるリスクがあります

大事なのは、「沖縄にいても、沖縄でなくても求められる自分になること」
移住に失敗しても、転職先でパワハラにあったとしても、「別にこの会社じゃなくても、いくらでも働き口はある」状態はメンタルの安定をもたらします。
次こそ沖縄移住を成功させるために、私は東京で経験とスキルを磨いております、、、

ABOUT ME
けいたろう
けいたろう
駆け出しブロガー×下っ端サラリーマン
28歳のネコ好き。大学進学のタイミングで東京に上京。新卒で大手不動産会社に入社するも、1年ちょっとで退職。24歳で沖縄に移住し、現地の不動産会社に転職。2年弱で再度の転職を決意し、東京に戻ってきました。再度の移住を夢見て頑張っています!
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