沖縄移住・旅行がもっと楽しくなる!訪れる前に観たい映画&コンテンツ特集
沖縄を旅する前や移住を考えるとき、映像作品を通して土地の空気を先に感じたり、文化や歴史の背景を知っておくと、楽しさや充実度合がアップすると思います。観光スポット情報とは別に、文化・言葉・歴史という3つを押さえるラインナップをご紹介します。
沖縄移住前に「文化」を知る│エイサーどんどん

出典:YouTube「【エイサーどんどん】本編 沖縄全島エイサーまつり」/沖縄市観光プロモーション動画 https://www.youtube.com/watch?v=H_9Aym4iNrY
概要
沖縄全島エイサーまつり65周年の記念制作。エイサーに打ち込む青年会と、訳あって故郷を離れていた息子が、沖縄に帰り家族の絆を修復していくヒューマンドラマです。コロナ禍で全島エイサー祭りが中止になった背景から、「エイサーへの思いを絶やさない」ために制作された経緯があるようです。
あらすじ
舞台は沖縄市。主人公は本土で暮らしていたが、あるきっかけで久しぶりに故郷へ戻ってくる。母との関係には深いわだかまりがあり、地元でも居場所を見つけられずにいた。そんなある夜、青年会の練習場で偶然エイサーに出会う。太鼓のリズムと掛け声に心を揺さぶられ、次第に青年会メンバーや地域の人々との関わりの中で、過去と向き合い、母との絆も少しずつ取り戻していく。夏の夜、全島エイサーまつり本番の舞台に立つことで、彼は自分自身と地域との新しい関係を築いていく。
なぜ旅行前・移住前に観るといいか
この作品の魅力は、エイサーという伝統芸能を通して描かれるどこか懐かしい「空気感」にあると思います。
太鼓の音、掛け声、旧盆の夜の熱気。
観光では一瞬で通り過ぎてしまう風景が、物語の中でじっくり描かれることで、まるで自分がその場にいるような臨場感が残ります。旅行前に観ておくと、現地で祭りや練習風景に偶然出会ったとき、その背景が自然と理解できて、体験の深さが変わるはずです。というか「現地でエイサーが観たい」となります。絶対。なので「偶然出会う」ではなくなりますね(笑)
また、主人公と地域の人々との距離感の描写もリアルで、移住を考える人にとっては「外から来た人が地域と交わるときの空気感」を具体的にイメージする手がかりになるかもしれません。
※映画の中に出てくる人間関係は沖縄の中でも比較的ウェットなほうだと思います
視聴メモ:公式YouTubeで公開(英語字幕あり)
沖縄移住前に「歴史」を知る│宝島

出典:映画『宝島』公式サイト(https://www.takarajima-movie.jp/)
概要
真藤順丈の直木賞受賞作を、大友啓史監督が実写映画化。舞台は米軍統治下の戦後沖縄。自由と正義を信じ、激動の時代を生き抜いた若者たちの姿を描く壮大なヒューマンドラマ。なかなか触れられない、沖縄の「もう一つの顔」を描いています。
2025年9月19日全国公開。出演は妻夫木聡さん、広瀬すずさん、永山瑛太さんなど。
あらすじ
1950年代、米軍統治下の沖縄。物資不足と抑圧の中、米軍から物資を盗んで人々に分け与える「戦果アギヤー」と呼ばれる若者たちがいた。
グスク(妻夫木聡さん)、レイ(窪田正孝さん)は、英雄的存在のオン(永山瑛太さん)と共に基地襲撃を計画するが、その夜オンは“予定外の戦果”を手に入れ、姿を消す。
グスクとレイはそれぞれ刑事・ヤクザという異なる道を歩みながら、オンの失踪の真相と、基地・米軍・時代の闇に向き合っていく。
なぜ旅行前・移住前に観るといいか
『宝島』は、実話をベースにしたフィクションです。原作作者の真藤さんが沖縄で行った取材をもとに、「たまたま遭遇した現地の語り部から聞いた話が原型」とインタビューで語っていたようです。
特に移住を考える人にとっては、以下の点で観ておく意義が大きいと思います。
- 沖縄市コザの街並み、基地周辺の街並み・構造が「なぜ今こうなっているのか」が理解できる
- 米軍基地をめぐる現地の人々の感情や立場が、単純な賛否ではなく、複雑な歴史・背景と深く絡んでいることがわかる(私も移住前に「特に年配の方に安易に基地の話を聞くのは避けた方がいい」と聞かされましたが、その理由も腑に落ちると思います)
戦後の沖縄を生きた人たちにとって、基地の問題は長らく大きな影響を与えてきました。観光ではなかなか踏み込めない歴史を理解しておくことで、土地や街の見え方、そこで生活する人との向き合い方が変わるはずです。
沖縄移住前に「言葉」を知る│沖縄訛りの喜屋武さん

出典:YouTube『沖縄訛りの喜屋武さん』公式チャンネル(https://www.youtube.com/@kyan_okinawa/shorts)
概要
「沖縄訛りの喜屋武さん」は、沖縄出身のクリエイター・喜屋武(きゃん)さんがSNSで発信している人気シリーズです。
やまとぅー(本土出身者という設定?)との会話の中で、方言やイントネーションのズレによるコミュニケーションのギャップを、軽妙なコメディとして描いています。
YouTube・TikTok・Instagramなどで数十秒〜数分のショート動画が配信されてますの気軽に楽しめるコンテンツです。
内容
動画では、「やまとぅー」と沖縄出身者との会話の中で、「今なんて言った?」「その言い方どういう意味?」といった、言葉や抑揚の違いによるすれ違いや勘違いがテンポよく展開されます。方言だけでなく、イントネーションや言外のニュアンスなど、“言葉の文化”の違いが楽しく学べます。金髪×ロン毛×ド派手な格好×いかつい顔面なのにどこかかわいらしい喜屋武さんのキャラが最高です。
個人的に好きな動画が【先輩に言ったらアウトな沖縄の方言】と【沖縄ヤンキーに「トイレ行こうな」って言われた結果】です。皆さんは沖縄の先輩に「トイレ行こうな~」と言われたらついていきますか?笑
なぜ旅行前・移住前に観るといいか
沖縄は地域によって方言や抑揚が今も強く残っており、移住後に最初にぶつかる“壁”のひとつが言葉です。私もぶつかりました、、、
特に年配の方との会話や、日常的な雑談の場では、イントネーションの違いで意味が変わることもあるので注意が必要です。すれ違いが起こります、、、
このような「言葉」に関わるコンテンツを観ておくことで
- 事前に耳が慣れ、現地での会話がスムーズになりやすい
- 「方言=知らないもの」と身構えるのではなく、“文化の違い”として受け止められるようになる
- 移住後のコミュニケーションのハードルが下がる
旅行者にとっても、現地でのちょっとした会話が楽しくなり、移住希望者にとっては地域との距離を縮める第一歩になるコンテンツだと思います!
<番外編>移住前に「街の今」を知る│10ROOMS
なぜ番外編か。それは現在どこで観られるか分からないからです。ごめんなさい。でも紹介したいのです。不定期で観れることもあるのでぜひ紹介したく番外編スタートです。

出典:映画『10ROOMS』公式サイト(https://10rooms-movie.com/)
概要
『10ROOMS』は、沖縄市・コザにある一棟ホテル「TRIPSHOT HOTELS KOZA」を舞台にしたフィクション映画です。ホテルの部屋に集まる人々の人生が交錯するオムニバス形式の群像劇で、地元の人、移住者、アーティスト、米軍関係者、観光客など、多様な人々が混ざり合う“今のコザ”を描いています。
2022年に沖縄で上映された作品で、現在は一般配信はされておらず、沖縄市の「シアタードーナッツ」で不定期上映されることがあるようです。「ここ行けば観れます!」が無くてごめんなさい(´;ω;`)
あらすじ
舞台は、コザの街に建つレトロなホテル「TRIPSHOT HOTELS KOZA」。
かつてキャバレーやBARだった建物を改装し、個性的なホテルに。その客室にそれぞれ異なる背景を持つ人たちが滞在します。
沖縄移住を考える女性、音楽活動のために訪れた若者、地元で長く暮らす年配の男性、米軍関係者との関係に悩む女性、観光でふらりと訪れたカップル……。
ホテルという空間とコザという街を通じて、すれ違い、交錯し、時に変化を起こしていく。
コザ特有のアメリカ文化と沖縄文化が混ざり合う街並みと、そこに生きる多様な人々の姿を軽やかなテンポで描いているのが特徴です。
実際に泊まれるコザのおすすめホテル「TRIPSHOT HOTELS KOZA」

※画像引用元:トリップショットホテル・コザ(Trip Shot Hotels・Koza)
実際にこのホテルに泊まったことがありますが、ここは人生で一番“異質”な宿でした。
元キャバレーやBARを改装したアメリカンな内装で、部屋はめちゃくちゃ広く、雰囲気は抜群。最新設備を備えた清潔感溢れる高級ホテルに泊まりたい方にはお勧めできませんが、アメニティも揃っている&コーヒーマシン付き&部屋に洗濯機・乾燥機が付いている。さらにコザの飲み屋街も徒歩圏内。金額もリーズナブルで部屋も広いので複数人で泊まるとコスパ最強だと思います。
フロントは近くのカフェにあり、看板ネコのこまちが出迎えてくれるのも印象的。沖縄文化とアメリカ文化が融合するコザの空気をホテルを通して体感できます。めっちゃおすすめです。
なぜ旅行前・移住前に観るといいか
沖縄=リゾートというイメージがあると思いますが、この映画を通して、そのイメージとは違ったコザという“都市のリアルな空気”が感じられると思います。
基地の街として独自の文化を育んできたコザには、移住者・地元民・米軍関係者・観光客といった多様な人が共存しています。それを知ることで沖縄の見方、コザという街の見方が変わり、なによりコザに行きたくなるはずです!
沖縄移住前に観るべき映画やコンテンツ│まとめ
沖縄の魅力は、海やリゾートだけじゃない。
地域に息づく伝統芸能や、街に混ざり合う多様な人々、言葉や文化、そして歴史。
これらの作品を通して、リゾートや海だけではない新たな沖縄の魅力を発見でき、さらに沖縄が好きになるはずです!
旅行前や移住前にこれらを観ておくと、
- 現地で目にする風景の背景が見えるようになる
- 会話や人との距離感が自然と変わる
- 沖縄という土地と、自分の接点の持ち方を考えるきっかけになる
実際に訪れる前に少しだけ「空気感」や「歴史」を知ることで、現地での体験は何倍も深く、鮮やかなものになるはずです。
気になる作品から、ぜひ一つ観て(あるいは泊まって)みてください。
